

カニストレリ
¥334 税込
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カニストレリ(栗)
<光と闇の説話の残るコルシカ島の郷土菓子>
〇原材料 ☆マークは、栽培期間中農薬等不使用。
栗、米粉(国内製造(九州産))、ココナッツオイル、片栗粉、☆オートミール、黒糖(沖縄産)、アーモンド、粗糖、ひまわりの種、洋酒、塩、黒ごま、膨張剤
※賞味期限は、到着後3週間以上あります。
『お菓子にまつわるお話』
「カニストレリ」
~コルシカ島の物語から生まれた栗のお菓子~
地中海に浮かぶコルシカ島の郷土菓子「カニストレリ」。
手つかずの自然が残り、フランスの秘境と称されるコルシカ島。一度訪れたら、再訪を願わずにはいられないほど、だれもが美しさに魅了される島だそうです。小さい島ながらナポレオン1世の生誕地としても知られている場所です。
カニストレリは、中世時代には洗足式のときに食べられていた宗教的なお菓子だったそうです。
洗足式とは復活祭前の木曜日の聖週間に行われるお祭りです。キリストが最後の晩餐のあとに十二使徒の足を洗い、お互いに足を洗ったことに由来します。そのお祭りの際に食べられるお菓子でした。
コルシカ島はほとんどが山。
小麦は採れないため、豊富に採れる栗を小麦のかわりに食べていました。
つまり、栗が主食だったわけです。
栗が主食のようなところに人が生まれ育ち、生きていくことができるんですね。
さて、洗足式はイースターの直前の木曜日なので、もう過ぎていますが…(笑)。
この日にカニストレリを食べることによって、業を祓い清められるのかもしれません。
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さて、なぜ、このお菓子を作ろうかと思ったかというと、ある物語がきっかけです。
コルシカ島に伝わる「金の髪」という物語を語るために、僕は稽古をしていた時期があるのですが、そのお話がとても面白いのです。それで、コルシカを調べていたら、この郷土菓子を見つけたわけです。
どんな物語かというと・・・
ある村に、「金の髪」と呼ばれる美しい娘がいた。
あるとき、娘はその土地の悪い伯爵に見染められてしまう。でも娘にはいいなずけがいて、伯爵など眼中に入らない。そこで、伯爵は、そのいいなずけの若者を暗殺しようと企むが、反対に、伯爵が死んでしまう。
その後、その伯爵が幽霊となって現れ、いいなずけの若者のふりをして、娘を馬に乗せ、世界の果てにある死の都に向かって走り出す。
馬に乗って追いかけていた若者は、死の都の巨大な鉄の門の直前で、伯爵の幽霊に追いつく。そして幽霊がつかんで離さない、「金の髪の毛」を、ナイフで切り落とし、娘を助け出す。幽霊は「金の髪の毛」を持ったまま門の中に消えていく。
伯爵は結局、望みの物を手に入れた。それは、娘そのものではなく、かりそめの外側のもの。そして、若者は娘と結婚し、いつまでも幸せに暮らした・・・というお話です。
「伯爵は結局、望みの物を手に入れた」というところがすごいなと思うのです。翻訳者の松岡享子さんは、この物語を、現代のスキャンダルに通ずるものとして受け止めることができる、というようなことを何かに書かれていましたが、人の持つ欲望は、どこまでも、手に入れようとするし、手に入れることができる。けれども、その本体は、手に入れることができない、と僕は思うのです。
地獄の火の燃えさかる死の都へ突き進んでゆく伯爵の姿は、善も悪も持つ人間のこころの、悪の姿であるし、その悪にぎりぎりまで近づき、本体以外のかりそめのものは切り離すことができることが、善なる力だと感じます。
人はどこまでも、光と闇を抱いているものだと思いますが、その善悪の両方が、絶妙な対比と非常な緊迫感をもって描かれてあり、こちらに迫ってくる物語です。
本体以外のかりそめのものを切り離す…
これが、このコルシカに伝わる物語の肝だと思いますが、洗足式という特別な日に食べるこのお菓子「カニストレリ」が、どこかでつながっているように思っています。
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